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青と黄色のあいだ

好きなものを好きなだけ

それがあいつの人生なのだろう

 

あなたの本当の人生は

あなたの本当の人生は

 

 何度も何度も繰り返される。「あなたの本当の人生は」という言葉。それはこの物語に登場する宇城という森和木ホリーの秘書のような、はたまたお世話係のような女性がこだわって言う言葉なのだが、宇城は森和木ホリーの元で働く決心をした言葉でもある。

「あなたの本当の人生は」

この文章を見るたびにどきっとする。わたしの本当の人生は……、どこなのだろう。

何かに躓いたとき、きっと多くの人が「わたしの人生はこんなはずじゃなかった」と思うはず。わたしだってたった二十年ほどしか生きていないが、何度思ったことだろう。

「あなたの本当の人生は」

そのたび何度だって考える。自分が本当だと考える人生ってなんなのか。それと同時にもし自分の理想の人生を生きることが出来たとして、またいつか、この人生は本当の人生じゃないって思う時がくるんだろうなと。人間は現状に満足し続けてはいられない生物なのだから。

この物語には主に三人の女性と、二人の男性と、一つの物語が登場する。わたしが思うにそのどれもが主人公ではない。主人公は、いま本を読んでいるわたし自身、読者自身だろう。三人の女性と二人の男性のこれまでの人生を見ながら、わたしは自分のこれまでの人生について考え、結末を迎えていない一つの物語のことを考えながら、これからの自分の人生について考える。

自分の人生のこれからは自分で作っていっていい。そしてその人生が自分の理想から外れていようと、それがあなたの本当の人生なのだとわたしは思う。