青と黄色のあいだ

好きなものを好きなだけ

抱きしめるって魔法!


映画『きみはいい子』予告編 - YouTube

タイトルに引き寄せられて観てきました、『きみはいい子』。

f:id:amyamam24:20150705150226j:plain

原作の短篇集の中から「サンタさんの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちは、さようなら」の三篇に焦点を当て、それぞれの話を行き来しながら映画は進んでいきます。

テーマは"愛"なのかな? 

観はじめてからすぐ、とても嫌な感じがした。どの人もみんな自分のことで精一杯で、自分勝手で、わけも分からず焦ってて。日本の縮図、現実がオブラートに包まれず描かれてる。

尾野真千子さんが子供に手をあげるシーンなんて本当に見ていられなかった。(見なきゃだめだという謎の使命感に駆られてばっちり目を見開いて見たけど)

子供の全てに苛々して手をあげてしまう母親の気持ちなんてわたしには(現状)さっぱり分からないけど、殴ってしまったあとトイレに籠って体を震わせながら泣く母親と、そんな母親を心配して扉の外で泣き声をあげる子供、どこでこんがらがってしまったのか分からないけど、二人の間に確かに愛はあるなと。

ただもう引き返せないというか、こっち側に来たはいいものの船は消え、元いた岸には戻れない。戻り方が分からないという状態。

一人でなんでも出来るって思うけど実際、自力ではどうしようもなくなることって山ほどあって、そんな時は誰かに船を出してもらって助けにきてもらうしかない。

ほんの少しのきっかけ、一歩が踏み出すのって大変だけど、それが出来たら人は本当に変われるのだと思う。

そのきっかけがこの映画の中では"抱きしめる"という行為で、肯定でした。

大人になればなるほどそういう機会は減っていって、日々摩耗する心はネガティブな気持ちで満たされ、誰も何も言っていないのに自分の全てを否定されているような最悪な気分になっていく。

それが抱きしめ、抱きしめられることで言葉はなくても肯定された気持ちになって安心して涙が出てくる。これって魔法じゃない?

わたしってこんな素晴らしい魔法が使えるのに、今まで気付いていかなったのか……と愕然としました。

ぴりぴりした空気漂う日常、もっとみんな抱きしめ合って誰かの体温を体全体で感じて、氷がゆるゆると溶けていく感覚をたくさん味わっていけば、優しい日本が出来ていくんじゃないのかなあって、思いました。

かく言うわたしも抱きしめるの凄く恥ずかしいんですけど、強力魔法としてこれから使っていこうかなと。

観終わって辛い、悲しい、って気持ちにはならず、足元ばかり見ていないで顔をあげて歩いていこうと思えるような映画でした。