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青と黄色のあいだ

好きなものを好きなだけ

恩田陸「蜜蜂と遠雷」大型重版ということで読んだ中でオススメの作品5選

読書

1992年から作家として活躍している恩田陸直木賞を受賞した。作家・恩田陸の最高傑作ともいわれるこの受賞作は「蜂蜜と遠雷」。書店に足を運ぶたびに目に止まっていた作品が、まさか直木賞を受賞するとは。本当におめでたいことです。

わたしが生まれる前から作家として活躍する恩田陸ですが、今回の直木賞で初めてその名を知った人も多いかと思う。

しかし恩田陸の代表作といえば「六番目の小夜子」。テレビドラマにもなっている作品である。ここまで読んで恩田陸に興味がわいた人のために、わたしが読んだ中でオススメの作品をざっと紹介する。

六番目の小夜子

六番目の小夜子 (新潮文庫)

まずはやはり、この作品。小さな頃にテレビドラマを観ていたわたしはずっと、この作品をただの怖い話だと思っていた。しかし大人になり、恩田陸の作品を読むにあたり避けられない「六番目の小夜子」を読んだ時、その印象が間違っていたものだということに気付いた。多くをいうと読んでもらえないと思うのでここにはあまり書かないが、ただのミステリーではない、何度も読みたくなる作品です。恩田陸への入りとしても読みやすいので、まずオススメする。

『常野物語』シリーズ

光の帝国―常野物語 (集英社文庫)

蒲公英草紙―常野物語 (集英社文庫)

エンド・ゲーム―常野物語 (集英社文庫)

次にオススメするのは個人的にすごく好きな「常野物語」シリーズ。3作あるが、繋がりつつも1つ1つが独立しているので、どれから読んでも大丈夫だと個人的には思う。人間たちの中でその不思議な能力を隠してひっそりと生きる常野一族が、物語の主人公である。不思議な能力を持つがために静かに生きることを許されない常野一族の悲しい行く末と、生きる者としての温かさに心が揺さぶられる作品。大好きです。

図書室の海』

図書室の海 (新潮文庫)

上のオススメを読んで少し本が好きになってきたら読んでほしいのが「図書室の海」。「六番目の小夜子」の番外編も載っているので、小夜子熱が冷めないうちに読むとさらに楽しい。そして恩田陸作品でファンが多い「夜のピクニック」の前日譚も載っている。なので出来れば「夜のピクニック」も読んでから手をつけるのをオススメするが、「夜のピクニック」は個人的にあまり薦めません。(長編だから)

『ユージニア』

ユージニア (角川文庫)

わたしが読んだ中では、読後にダントツの“気持ち悪さ”が残る作品。そして1番ミステリー感が強い。1回読んだだけでは意味が理解できず、何度も読み直してはさらに深い謎の渦の中に沈んでいくこと間違いなし。面白い、面白くない、という感想を無視して、その気味の悪さ、読後感の気持ち悪さが強烈に残る。

『ブラザー・サン シスター・ムーン』

ブラザー・サン シスター・ムーン (河出文庫)

学生時代を思い出し、切なくなるこの作品。文体にあまり癖のない読みやすい文章でさーっと読める恩田陸の文章で、胸にポツポツと切なさの花が咲いていく。頭で考えるというよりは、心が勝手に動いてしまう、誰にでも身に覚えのあるような作品です。ただ温かい気持ちになりたい人にオススメする。

 

という感じで恩田陸の作品をオススメしていったが、全体的に言えるのは“読みやすい”ということ。さっきも書いたが文体に癖がない。しかし物語がしっかり立っている上にリアリティーがあり引きが強いので、余計なものは加えず基本的な材料のみで、最高の味を引き出してある料理のよう。読後に「あー、おいしかった」と純粋に思える。親が作る握り飯に近い。いま親と別々に暮らしていて「親の握り飯が食べたい」と思っている人はぜひ恩田陸作品に挑戦してほしい。