青と黄色のあいだ

好きなものを好きなだけ

「ご本、出しときますね?」若林正恭

 本好きが好きな芸人、若林正恭わかばやし・まさやす)さんの著書「ご本、出しときますね?」を読んだ。ずっと読みたかった本だった。

 この本は、テレビで放送していた番組をまとめたもので、数々の名作品を生み出してきた、現代作家との対談を文章で読むことができる。

だいたい、映像を文章にしたものはその面白さが半減してしまうことが多々あるのだけれど、この本に限ってそういうことはない。文章になっても、作家たちの面白さ、若林さんの面白さはそのままだ。

特に好きなのは、西加奈子さんの勢い。本当に声が聞こえてくるかのような文章になっていて、この本が物凄く好きになったし、西加奈子さん、やっぱり好きだなと思える。

この対談の中で若林さんが何度も繰り返すように、作家という人たちは作品の外でもずっと小難しい話をしていて、大変賢くて面白い人間なのかと思いきや、本人たちはそうではないと言うし、接している若林さんも「実際はそうではなかった」と言う。

とは言え、作家が見ている世界というのは少し変わっているなというか、小説を書かない人たちに比べてものを見る視点の数が多いと思う。

そんな作家たちから見ても「クレイジー」な村田沙耶香さんは、この対談でもやっぱりクレイジーで。クレイジーすぎると逆に純粋になるのだなあ。

ダブル中村(中村文則さんと中村航さん)の対談も面白かった。文則さんはだいたい色々なことを気にしている感じの人で(超アバウトに言ってます)、航さんはとてもふわふわとしている。

お互いに「ええ?!」と思うことがありつつも、その違いすぎる点において、二人の間には兄弟のような雰囲気すら漂っている。それもすごく面白い。

私の中で作家と作家は、作品について語りはすれど基本的に仲が悪いものだと思っていたから、こうして作品と作品を対話させるのではなくて、作者と作者、まあ人間と人間として対談していることは、現代だからこその空気感なんだろう。

ただやっぱり誰も彼もが本というもの、小説というもの、言葉というものを愛している雰囲気というのは伝わってきて、読んでいるととても幸せな気持ちになれた。

本当に処方箋のような本になっていますよ。